お腹の真ん中を触ると、胃の調子が分かります 編
東洋医学には「五根(ごこん)」という考えがあります。「肝の気は、目を主(つかさ)どる。心の気は、舌を主どる。脾(ひ)の気は、唇、口を主どる。肺の気は、鼻を主どる。腎の気は、耳、泌尿器、肛門を主どる。」と、五臓の気血と健康や病気予防の関係を説きます。
「五根」では、肝臓の気が不足して、気血の流れが弱くなると、目の疲れ、目のかすみなど目に症状が現れます。
心臓の気血の流れが弱くなると、味覚異常や舌がからむなど舌に症状が現れます。脾臓の気血の流れが弱くなると、口唇の荒れ、口内炎、口の外側に湿疹などの症状が現れます。
肺の気血の流れが弱くなると、鼻炎や鼻づまりなど鼻に症状が現れます。腎臓の気血の流れが弱くなり、聴力が落ちたりする耳の症状や、頻尿、尿の出が悪くなるなど、泌尿器の症状と関係があります。
東洋医学では「五臓の気血の虚実(きょじつ)が症状や病気の引き金になる」と考えます。
「虚」は不足、弱り、機能の低下を意味し、「実」は亢進(こうしん)、炎症、機能の高ぶりを意味します。
鍼灸術では、五臓の経絡の虚実を診ます。脈診で、五臓の気血の虚実を診て、経穴(ツボ)の虚実を指先で診ます。お腹の虚実を手のひらで触診します。
虚(力がなく、弱っている)ツボには、補法で0.18ミリの細い鍼を1~2ミリ打って、力を与えて元気な組織にします。実(亢進、組織が硬い)ツボには瀉法(しゃほう)で太めの鍼をやや深めに打ちます。
今回は、食欲不振、消化不良、胃弱、ストレス性の胃炎、腹部緊張感に効果的な「(ちゅうかん)」というお腹の中央にあるツボを紹介します。
横になって「」(おへそとみぞおちの中間)を両手の示指(人差し指)と中指でゆっくり押しながら、息を吐く。(5~8回行ってください。)
*理想的なお腹は、柔らかく、弾力性があり、押した時に圧痛(硬く、痛み、緊張感がない状態)が良いです。 ストレスに強いお腹を作りましょう。
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